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資本主義が進化すればお金はなくなる? 成田悠輔氏らが登壇
第2回地域通貨サミットレポート

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9月16日、第2回となる「地域通貨サミット」を開催しました。1000名を超えるご参加申込をいただき、資本主義の未来からお金の歴史、各地における地域通貨の導入事例と展開について議論が行われました。

第1部基調講演
「地域通貨は社会をどのように変えるのか」

第1部基調講演「地域通貨は社会をどのように変えるのか」では、イェール大学 成田悠輔氏が登壇。

DXが進み、人間の知覚や認知、思考がデジタルデータに変換されることによって、取引対象として流通するようになれば、商品や土地、株式だけでなく、有形無形のあらゆるものが市場経済に取り込まれ、やがて、すべてが資本主義になる社会が到来するのではないかと指摘。その上で、資本主義の純粋化が進むにつれて、やがてお金はなくなるのではないかという仮説を打ち出しました。

かつて小さな村や集落の中で取引が行われていた時代には、経済活動の実態も非常に小さく単純でした。取引は台帳に記録され、ある時期に精算されるので、お金を受け渡す必要はなかったからです。ところが経済活動が拡大するにつれて、経済活動の実態と記録の間に「ずれ」が生じてきました。その「ずれ」はデジタルの普及によって解消されつつあります。いま手元にある1万円札は、誰かに提供した価値の返礼として存在しますが、経済取引の実態と記録が一致すれば、そもそもお金は必要なくなるのではないか。100年単位で歴史を俯瞰すれば、歴史を通じて、土地や商品や株の価格は上昇の一途を辿ってきました。それは言い換えるなら「お金」が相対的に価値を失い続けてきたことになると指摘しました。

現代の資本主義社会では、今すぐ役立つ商品よりも、電気自動車の事業計画やビットコインのように、いつか大きな意味をもたらすかもしれないブランドや技術、世界観に対して高値がつく傾向があります。いわば幻想としての未来を資本化するという資本主義の持つ本質的な機能が加速する一方、お金というものの位置付けは、この流れと根本的に逆行しており、必要性が低下していると述べました。

やがてお金がなくなった世界では、購買力や交換手段ではなく、それぞれの人が過去につくり出してきた価値を表現するアートのような存在としてお金が価値を持ち得るのではないかとして、地域通貨の新しい可能性を示唆しました。

第1部

第2部対談
「お金の不思議ワンダーランドと地域通貨の冒険」

お金の起源は貸借勘定の記録、つまり信用に基づく「ツケ」だったことに遡り、現在の法定通貨がどのように生まれたかを解説。「交換」「保存」「価値の尺度」というお金の3つの役割に触れながら、「保存」「価値の尺度」の機能を敢えて持たない「まちのコイン」は、これまでのお金のような「価値の乗り物」から「気持ちの乗り物」としての新しい可能性を持ち得るのではないかと指摘しました。(参考: 日本銀行金融研究所所 貨幣博物館サイト

第2部

第3部パネルディスカッション
「地域通貨はこんなふうに使われている」

第3部パネルディスカッション「地域通貨はこんなふうに使われている」では、智頭町役場企画課 岡本康誠氏、藤野地域通貨よろづ屋事務局 高橋靖典氏、深谷市 産業振興部 産業ブランド推進室 室長補佐 福嶋隆宏氏をパネリストに迎え、各地域でどのように地域通貨が使われているか、事例と今後の展開について討論しました。

その後、おまけミニトークとして、カヤック代表やなさわが登壇。これまで22地域に「まちのコイン」を展開してきた3年間を通じて考えたノウハウと課題について話しました。

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